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Surface Pro 4へのWindows 11導入と設定

Surface Pro 4でWindows11

まだ現役で頑張っているSurface Pro 4にWindows 11をインストールした。今回はインストール時に実施することをオススメする作業内容を紹介する。

なおSurface Pro 4はビジネス用に広く利用されており、セキュリティ強化に重点を置いたWindows 11は移行することがオススメとなる。ただしCPUやメモリを考えると、Microsoftの公式スタンスは「Surface Pro 8のWindows 11インストールモデルをご購入下さい」となる。

(ちなみに違和感アリアリだけれども、Surface Pro 4背面の金属はヒートシンクで、液晶ディスプレイ回路の過熱防止用に装着している)

Windows 11を正式導入する手順

我が家のSurface Pro 4は古いけれどもCore i5モデルであり、CPUファンの回転が若干心配あるものの、デュアルディスプレイ環境で4K画面を表示可能だ。

(ただし4K(3840ピクセル x 2160ピクセル)画面を2つ表示する場合、リフレッシュレートは30Hzとなる。まあ資料作成/閲覧中心ならば30Hzで十分で、動画を多用しない限りは60Hzでなくても大丈夫だ)

さてそんなSurface Pro 4だけれども、Windows 11対応状況チェックをすると、CPUが古いので最新機種を購入するように推奨されてしまう。しかし逆に言えば、Windows 11で強化されたセキュリティ機能はハードウェア的に実装済みである。

  • UEFI、セキュア・ブート機能
  • TPM 2.0 (Trusted Platform Module)

ちなみにWindows 11のサポート対象であるかどうかは、下記ページの最下部に表示されている「互換性の確認」–> 「PC 正常性チェックアプリのダウンロード」によって確認ツールをダウンロードできる。そしてこのチェックツールを実行すると、CPUが古いと指摘されてしまう。

そのページからもリンクを張られているシステムの最小要件を見ると、Surface Pro 4も最小要件は満たしている。ただしサポートプロセッサを確認すると、たしかにSurface Pro 4のIntel Haswellプロセッサはおろか、Skylakeプロセッサもサポート対象に含まれていない。(2021年12月24日時点)

なんでもSkaylakeは正式サポート対象にする検証がマイクロソフト社内で実施されているというウワサもチラホラと英語で聞こえて来るが、少なくとも現時点では正式サポート対象ではない。

だからマイクロソフトとしては、「システムの最小要件を満たしているのでSurface 4にWindows 11をインストールすることは許諾するけれども、あくまで自己責任でインストールしてください」というスタンスになっている。

なおSurface Pro 4は正式サポート対象外なので、Windows Update画面でのアップデートはおろか、昔ながらのWindows アップグレードインストールもサポートされていない。だから8GB以上のUSBメモリまたはDVDメディアを確保して、Windowsインストールメディアを用意する必要がある。

この対応によって勇み足でインストールしてトラブルに遭遇する初心者を減らすことが出来るので、マイクロソフトの対応は適切だと思う。いずれにせよ、Surface Pro 4にWindows 11をインストールする場合には、SSDディスクの内容を完全消去する「クリーンインストール」となる。

電源スライダーなどのSurface用ツールは使えなくなってしまうので、覚悟しておくことが必要だ。その覚悟が出来たら、Surface Pro 4をシャットダウンして、Windows 11インストールUSBメモリを装着して、音量ボタンの+ボタンと電源ボタンを同時に長押しする。

ちなみに僕の場合は田という形のWindowsロゴが表示されても、そのまま押し続けるようにしている。そうするとWindowsロゴが消えた後にBIOS設定画面に入らずに、Windows インストール画面が起動する。

Windows 10起動と同じように、点線たちがくるくると回転を始めたら、Windowsインストール作業が開始されたという合図になる。あとはお馴染みのインストール画面に従って、Windows 11のインストール作業を進めていく。

インストール作業そのものは、以上の通りで「簡単至極」だ。ただし問題は、インストール後のセットアップ作業になる。ネットワークに接続してしまうと、マイクロソフトアカウントを必ず要求されるようになっている。

僕のように最初はローカルアカウントを作成して、ある程度してからマイクロソフト・アカウントを利用する者は注意が必要だ。僕の場合はネットワークに接続しない状態でインストールを実施して、セットアップ時に「制限事項つきエクスペリエンス」でオフライン・アカウントを作成している。

ちなみにうっかりネットワークに接続してインストールしたら、すでにWindows 11をインストールしているパソコンの設定情報が流れて来てエラい目に会ったし、そっちのWindows 11インストール済みパソコンが起動しなくなってしまった。

現在では最初にWindows 11インストール済みマシンも無事に復旧したけれども、アカウントの同期作業などで面倒な事態が起こりやすい。僕のようにAI研究用パソコンとか何台も確保している者が、いつも通りローカルアカウントを最初に作成してから様子見した方が良いかもしれない。

(ちょっと強引だけれども、うっかりネットワークに接続しながらセットアップしてしまった場合には、いったん強制電源オフ&ネットワーク切断してから再作業した方が良いかもしれない。アカウントのセキュリティを確保するなどの関係もあるのか、おそろしく手間と時間を要する)

Surface Pro 4のWindows 11設定

さて無事にWindows 11のインストールとセットアップが完了したら、Surface Pro 4用の設定作業をした方が良い。先の通りで、電源スライダー機能ツールなどがインストールされていない。気にせずに使うのが賢い選択だけれども、気になったらチューニングせざるを得ない。

Surface Pro 4向けに実施するのは、以下の4つの設定となる。

  • 性能重視の設定
  • バックグラウンドアプリの停止
  • Surface Pro 4用オプションのインストール
  • 電源スライダーの設定

最初の二つはSurface Pro 4とは直接関係ないけれども、今ではSurface Pro 4も低スペックに分類されるようになり、性能チューニングしておいた方が望ましい。実はこういう時は、ファンレスの初代Surface Goの方が楽だったする。

(冒頭画像の通り、Surface Pro 4背面のヒートシンクが大仰だ)

性能重視の設定

これは旧式パソコンはお馴染みの手法だ。見た目よりも性能重視にする設定変更だけれども、Windows 11では少し変わった場所に移っている。

田という文字のようなWindowsスタートキーをマウスで右クリックして、「設定」を選択する。そしてWindows 11の場合は、一番下の「バージョン情報」を選択する。

Surface Pro 4にWindows 11

そうすると「関連リンク」部分の一番右側に「システムの詳細設定」が表示されるので、その「死すステムの詳細設定」を選択して「システムのプロパティ」を起動する。昔はコントールパネルの「システム」を選択すると「システムのプロパティ」が表示されていたけれども、Windows 11では「バージョン情報」画面が開くようになっている。

あとはいつも通りで、上側に表示されているタブから「詳細設定」を選択して、パフォーマンス表示部分の「設定」をマウスでクリックする。そして視覚効果に「パフォーマンスを優先する」を選択してから、下側に表示されている一覧から「スクリーンフォントの縁をなめらかにする」を選択する。
(そうすると「カスタム」にチェックボックスが移動する。その状態でOKボタンを押す)

ついでにデスクトップ画面でマウスを右クリックして、「個人用設定」を選択する。そして「色」を選択して、透明効果を「オン」–>「オフ」にする。ちなみに昔は壁紙もリソースを消費するので単色が好まれていたけれども、今の僕は壁紙を使っている。あまり性能に走り過ぎても精神的な余裕がなく、少しはメンタル的な「趣き」も配慮したいと思っているからだ。

バックグラウンドアプリの停止

これはWindows 10では旧式パソコンに効果てきめんと評判だった方法だ。しかしWindows 11ではバックグラウンドアプリの起動/停止画面が存在しなくなったので、レジストリを書き換える必要がある。

もしくは「設定」の「アプリ:でアプリケーションのインストール状況確認画面から一つ一つ設定する方法もあるけれども、面倒くさい。そしてWindows 10の時みたい、OSアップグレードで初期化されてしまったら、頭をかきむしるような状況になってしまう。

そこで自己責任になってしまうけれども、先のようにレジストリエディタの書き換えとなる訳だ。Windowsスターキーをマウスで右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択する。そしてregeditと叩いてレジストリエディタを起動する。

  • HKEY_CURRENT_USER
  • SOFTWARE
  • Microsoft
  • Windows
  • CurrentVersion
  • BackgroundAccessApplications

ここでレジストリエディタの右側空白をマウスで右クリックして、「新規(N)」–>「DWORD(32ビット)値(D)」を選択してレジストリキーを作成する。まずその新規レジストリキーの名前を、GlobalUserDisabledへ変更する。

Windows 11でのバックグラウンドアプリの停止

そしてGlobalUserDisabledキーをマウスでダブルクリックして、値を「0」(バックグラウンドアプリが有効) –>「1」(バックグラウンドアプリが無効) へ変更する。ちなみにWindows 10の「設定」–>「プライバシー」画面を操作してバックグラウンドアプリを全て停止させると、このGlobalUserDisabledキーが「1」で作成されていることが分かる。

Surface Pro 4用オプションのインストール

これは当たり前といえば当たり前だけれども、Windows Update画面で「詳細オプション」を選択し、「オプションの更新プログラム」をインストールする。

ちなみに慌てて最初に実施すると、せっかくのオプション更新プログラムが、Windows Update本体プログラムの更新処理で上書き消去されてしまうことがある。だからまずはWindows Updateを実施、その後でオプションの更新プログラムをインストールすることが望ましい。

(BenQの液晶ディスプレイ用のドライバソフトウェアなども、この「オプションの更新プログラム」でインストールするようになっている)

なお興味深いことに、Surface Pro 7にWindows 11をインストールしてみたら、何もしなくてもSurface関連の「オプションの更新プログラム
」がインストールされていた。

ここら辺がサポート対象機種のSurface Pro 7 (ただし準備未完了なので、Windows Update画面からWindows 11インストールは「待ち状態」) と、サポート対象外のSurface Pro 4の違いだろうか。

電源スライダーの設定

初期状態または回復USBメモリからWindowsインストールしたSurfaceでは、ツールバーのバッテリー画面をマウスで右クリックすると、電源スライダー・ツールが起動されるようになっている。これは「オプションの更新プログラム」でも導入されない。

恐ろしいことに電源スライダーによる電源制御はWindowsの設定画面とは独立しているとのことで、マウスだけの操作ではお手上げとなる。

[マイクロソフト] Surface デバイスの最適な電源設定

“注意
電源スライダーは、コントロール パネル/電源オプション、グループ ポリシー、または関連する方法から構成されたオペレーティング システムの電源設定とは完全に独立しています。”

そこでWindowsスタートキーをマウスで右クリックして「ファイル名を指定して実行」で、cmdと叩いてWindowsターミナルを起動する。(いや、そこまでマニアックにやらなくても、マウスの右クリックで表示される「Windowsターミナル(管理者)」をクリックすれば十分だろう)

そしてpowercfgというDOSコマンドを使用して、「powercfg -setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c」(高パフォーマンスの設定) を入力する。その結果はpowercfg /?で表示される確認コマンドを実行しても良いし、コントロールパネルの「電源制御」でチェックしても良い。

SurfaceでのPowercfgコマンド実行状況

(コントロールパネルもWindows 11では起動に手間がかかるようなっているので、「ファイル名を指定して実行」からcontrolと打ち込んでも良い)

まとめ

以上がSurface Pro 4でWindows 11をインストールする方法と、インストール時にオススメしたい設定内容だ。おかげで僕のSurface Pro 4は現在でも快調に動作し、先週も液晶テレビに接続されたDVDプレーヤーとして機能してくれた。

もちろん最大のオススメは、マイクロソフトの説明通りで「新しいSurface Pro 8」の購入だ。特にSurface Pro 4はCPUファンが装備されているので、あまりに負荷がかかると回転音がうるさくなる。

それに僕の場合はSurface Pro 7にしてもメモリ8GBだけれども、Webブラウザで幾つもサイトを表示しながらPowerpoint資料を作成し、Teamsも起動していると「消費メモリ7.9GB」となってしまう。つまり明らかに、もっとメモリがあった方が嬉しい状況となっている。

そんな訳で、そのうち16GBメモリを搭載したSurface Pro 8が入手できたら嬉しいと思っている。予算がないのが、節約エンジニアとしては悲しいところだけれども。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静(おっさん)